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世界十大小説『ボヴァリー夫人』読了後のふとした疑問「シャルルの死因とツチハンミョウ」 | 夜ふかし読書室「孤独の読書会」

世界十大小説『ボヴァリー夫人』読了後のふとした疑問「シャルルの死因とツチハンミョウ」

文学

『ボヴァリー夫人』という小説をご存知でしょうか。フランスの文豪ギュスターヴ・フローベールの描いた世界十大小説の一つにも選ばれている名作でとされています。(世界十大小説には、他にもカラマーゾフの兄弟や白鯨などが選ばれている)

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今回はそんな『ボヴァリー夫人』のラストで気になった部分があったのでまとめてみました。

『ボヴァリー夫人』のあらすじ

田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが自由で華やかな世界に憧れ、不倫や浪費を重ねたのち、借金に追い詰められ、服毒自殺に至る物語である。

wikipediaより

さっくり読んでしまえば高い理想や幻想を追い求めた女性の破滅を描いた小説ですね

私が気になったのは、作品の最後に語られるシーン

実はエンマの夫のシャルルも死亡します

そのシーンがこちら

父はあおむけに堀にもたれ、目を閉じ、口を開け、両の手に長いひと房の黒髪を握っていた

「お父さま、いらっしゃいな!」と娘は言った。

そして、父親がわざとそういうふりをしていると思った娘は、父をそっと押した。彼は地面に倒れた。死んでいた。

三十六時間後、薬剤師の求めに応じて、カニヴェ先生が駆けつけた。死体を開いてみたが、何も見つからなかった。

ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』 芳川泰久 訳 新潮文庫

過去のエマの所業を知り絶望するシャルル

そして倒れるシャルルそれは突然死のように語られる

僕が気になったのは

その直前に語られるこのシーン

日差しが格子のあいだを通り抜け、ブドウの葉が砂の上に影を描き、ジャスミンの花は芳香を放ち、空は青くツチハンミョウが花ざかりのユリのまわりでぶんぶん羽音を立て、シャルルは息がつまりそうで、まるで切ない胸をふくらませるそこはかとない恋を誘う息吹に包まれた青年みたいだった。

ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』 芳川泰久 訳 新潮文庫

唐突に現れるツチハンミョウ

このツチハンミョウ調べてみたら猛毒をもつ昆虫だという

そもそもこのハンミョウという虫、時代劇によく出てくる「ハンミョウの粉」の原料なんだそうな

そこで僕はふと考えました、もしかしてシャルルって最後ツチハンミョウを食べるか何かして服毒自殺したんじゃね?と

そもそもツチハンミョウの毒ってどの程度のものなの?

ネットの情報では

  • 非常に強力な毒性を持つが、検出が難しい成分(カンタリジン)を含む
  • 文献によっては「死後に検出されないことがある」とも
  • ガストン・ラルー『黄色い部屋の謎』でも触れられているように、19世紀当時の毒物検査の限界もある

結構いい線いってるんじゃない?

ちなみにのツチハンミョウの毒の致死量は30mgとのことです

絶望に衰弱しきったシャルルにとっては、少量でも結構な大ダメージになったのではないかと思われます。

そうは言うけど深読みし過ぎじゃ無い?

そういう意見もあるかもしれません

ちなみに、本書の巻末解説にこのような記述があります

「1851年の九月から、『ボヴァリー夫人』は執筆開始され、四年半をかけて、この小説は完成します。」

「ひとつの場面を書くのに、なんと七月末から十一月末までかけることになります!」

「いかに文章に、文体にフローベールがこだわったか」

ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』解説 芳川泰久 訳 新潮文庫

この小説を書いたフローベールという人は

文体や推敲にものすごい心血を注いだ人のようです。

個人的にはそんな人が無駄な事を書くはずがないと思いますね。

まとめ

ボヴァリー夫人はただサラッと読んだだけだと「ふーん」という感じにつまらなく感じるかもしれない、でも深読みするとかなり面白い作品かもしれません。

この記事は文学初心者の拙い考察にすぎませんが、ネットで調べてもあまりこういった部分に言及されてる記事が無かったんですよね。

それに『ボヴァリー夫人』はなんといっても世界十大小説に選ばれるだけの作品!!まだまだ気付いてないだけで読み解ける部分というのがふんだんに盛り込まれているのかもしれませんね。

これを読んだあなたは『ボヴァリー夫人』のどんな個所をどんなふうに読み解きましたか?

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